アラカンのおっさん、過去を振り返る

ここはアラカン(阿羅漢ではない)のおっさんが今と未来について語る場所である。今と未来について語るつもりだが、その前に、私という存在を形作ってきた過去について、少しだけ振り返っておきたいと思う。

私は東京の下町で生まれ育った。高校までは東京で過ごし、その後は東京近郊の都市に住むことになった。

ごく普通の家庭に育ち、SFやコンピューターに魅了されていた私は、自然と理系の道を選んだ。特別な才能があったわけではない。学業も運動も、いたって普通のレベルだった。むしろ、身体を動かして何かを作り出すことの方が、私の性に合っていたのかもしれない。それでも情報工学を学び、SEとしての人生を歩むことになった。

そして気がつけば、いつの間にかアラカンとなっていた。今、私は人生の何回目かのリセットを試みているところだ。

私という人間を形作る上で、最も大きな影響を与えたのは、映画&TVとコンピューターだろうと思う。

映画&TV

  • スペース1999 (1977/4/3〜 )
  • 銀河鉄道999 1979/8/4 (1977〜 )
  • Star Wars 1978/6/24
  • Blade Runner 1982/7/10
  • Tron 1982/9/25
  • Brainstorm 1984/4/14
  • AKIRA 1988/7/16 (1982/12/20〜 )
  • The Matrix 1999/9/11
  • Interstellar 2014/11/22

スペース1999は再放送で、銀河鉄道999はライブで観た記憶がある。その時の空気感や、スクリーンに映し出される光の粒子のような映像が、今でも鮮明に残っている。宇宙戦艦ヤマトも確かに存在した。しかし、私の心に深く刻まれたのは、間違いなく999だった。

そして、その後の映画体験の中で、特に強烈な印象を残したのは “Star Wars”、”Blade Runner”、”Tron”、そして”Brainstorm”である。1980年前後の映画作品は、まるで時代の空気をそのまま切り取ったかのように、独特の輝きを放っていた。1983年に公開された “ウォー・ゲーム”も、その中で特別な位置を占めている。

今年、2025年の10月10日。 “トロン:アレス”が公開されるという。その時、スクリーンの中に広がるコンピューター世界は、一体どんな姿を見せてくれるのだろうか。その日を待ちながら、私は静かに時を刻んでいる。

コンピューター

  • Apple II 1977/4/16
  • 富士通 FM-8 1981
  • NeXT, Inc. 1985
  • ソニー NEWS-OS 1987
  • NEC PC-9801NS-20 1990/6
  • COMPAQ ポータブルパソコン
  • Windows 95 1995/8/24
  • Mac OS X v10.0 2001/3/24
  • Windows XP 2001/8/24
  • MacBook Air 2008/1/16

少年時代、私の心に深い刻印を残したのは、紛れもなく Apple II だった。
秋葉原のロビン電子(もしかしたらロケットだったかもしれない)の2階に、それは静かに佇んでいた。
互換機だったのかもしれない。
ロードランナーというゲームが入っていて、私は何度も足を運んだ。

私が初めて手にしたコンピュータは、富士通のFM-8だった。
その時すでにFM-7が世に出ていたことを知り、後悔の念が胸をよぎった。

そして次に迎え入れたのは、PC-9801NS-20。
20メガバイトという、今では信じられないほどの小さな容量のハードディスクを搭載したノートパソコン。
この時から、私はモバイル製品という道を選ぶことになる。

OSの中で特に記憶に残っているのは、”Windows 95″と”Windows XP”だ。
95の時代、MSNに一瞬だけ関わることができたのは、私にとって特別な経験だった。
遅いネットワークは確かに苛立たしいものだったが、利用者の情報を学習し、製品開発に反映していくという仕組みは、私の興味を引いた。
その後、IMEの日本語辞書が格段に進化していったのは、その証左かもしれない。

そして最後に、MacBook Airとの出会い。
その薄さ、軽さ、そして性能の高さに、私は心を奪われた。
それ以来、私の個人環境は MacBook 一色になった。
しかも、最高の性能を詰め込んだ Ultimate モデルを選ぶようになった。

Windowsマシンも時折使うことはあったが、2012年の終わりに業務でAWSを使い始めてからは、業務環境も自然と MacBook へと移行していった。

ネットワーク環境

  • PC-VAN (1986-2001)
  • NIFTY-Serve (1987-2006/3)
  • ASCII-NET (1985-1997)
  • Tri-P (-2004/12/20)
  • 商用ネットワークとNSFNetとの接続 1989
  • IIJ 1992/12/3
  • AWS 2006

パソコン通信という名の夜の世界から、すべては始まった。
深夜のテレホーダイという時間帯に、私は静かにモデムの音に耳を傾けていた。

インターネットがまだ商用化される前、私は学生という身分でその世界に触れることができた。
それは限られた者だけが知る秘密の場所だった。しかし、その可能性は私の心に深く刻まれた。
そして社会人となった私は、通信という名の最先端の世界に身を置くことになった。

モデムの速度は年々速くなり、インターネットは商用化され、ADSLという常時接続の時代へと移り変わっていった。
今では10Gbpsという、かつては想像もできなかった速度が日常となっている。

レンタルサーバーという存在も、最初はマンションの一室という小さな場所から始まった。
それがやがてデータセンターという巨大な施設へと変貌し、今ではクラウドという名の新しい世界へと進化している。

AWSが2006年にその扉を開いた時、私はまだ懐疑的だった。
2012年の終わりに業務で触れることになっても、その疑念はすぐには消えなかった。
しかし2013年、ラスベガスで開かれるre:Inventという祭典に足を運んだ時、私はすでにその世界に魅了されていた。

これが私の今日を作り上げた礎となっている。