筆記用具というものは、不思議な存在だ。
紙の上を滑るように走るその先端が、私たちの思考を文字という形に変えていく。
その中でも、フリクションボールノックは特別な存在である。
パイロット社が生み出したこの一本のペンは、私たちの日常に静かに溶け込んでいる。
書き味というものは、言葉では表しにくい。
フリクションボールノックのそれは、まるで風のように軽やかだ。
引っかかりもなく、スムーズに紙の上を滑っていく。
私の手元には、0.7mm と 0.5mm の二本が常にある。
広い余白には太めの0.7mm、狭い行間には細めの0.5mm。
使い分けることで、文字はより生き生きと躍り出す。
ブルーブラックのインクが、私の好みだ。
青と黒が混ざり合ったその色は、どんな紙の上でも美しく映える。
そして何より、このペンの真骨頂は消せるということ。
書き損じた文字は、ペン先のゴムで軽くこするだけで消えていく。
まるで、時間を巻き戻すかのように。
ノートの上で、自由に思考を紡ぐことができる。
それは、まるで風のように自由な筆記体験だ。
フリクションボールノックは、私の日常に欠かせない存在だ。
その軽やかな書き味と、消せるという機能性。
そして何より、使い手の心に寄り添うような存在感。
これからも、この一本のペンを使い続けていくのだろう。